夏の免疫対策&熱中症対策に!医師も薦めるマルチ・ヘルシーフード「夏みそ汁」〜火を使わない時短レシピ〜
暑い日々が続いていますね。マスクが必須な今年の夏はより暑さを感じます。
熱中症にも注意が必要ですし、暑さで体力が奪われ、免疫力が低下してしまうことも今の時期は心配になりますよね。
そこで今回は、「免疫力」「熱中症」というこの夏の心配ごとを解消するための医師も薦める『夏みそ汁』の効果と、マルチ・ヘルシーフード『夏みそ汁』レシピをご紹介!
火を使わない時短レシピなので、暑い夏にも助かります♡
豊富な栄養をもつ味噌!「みそ汁」なら食材の栄養素も一気に摂取♡
味噌には「タンパク質」「糖質」「脂質」の生きていく上で欠かせない3大栄養素のほかに、ミネラル(ナトリウム、カリウム、カルシウム、鉄など)、ビタミン類(ビタミンB群、ビタミンE)などが含まれています。
さらに「みそ汁」として調理すれば、味噌そのものの栄養素に加えて、具沢山の様々な食材から多くの栄養素をいっぺんに簡単・手軽に摂取する事ができます。
『夏みそ汁』で免疫機能を維持!
“人生100年時代”、“一億総活躍社会の実現”といった、老若男女問わず誰もが元気に活躍できる社会や暮らしの構想が定着してきた背景もあり、健康意識は年々高まりを見せています。
ある調査(※出典:日本製策金融公庫農林水産事業「消費者動向調査(令和2年1月調査)」 調査対象:全国の 20歳代〜70歳代の男女2,000人/男女各1,000人)によると、食の志向の割合では「経済性志向」を抑え「健康志向」が最も高いポイントとなっているなど、食生活から健康を維持しようという傾向も伺えます。
中でも最近では、腸内環境を整え免疫細胞を活性化させるとして、発酵食品に注目が集まっています。
そこで今回は、代表的な発酵食品である「味噌」の効用について専門家の解説も交えながらご説明していきます。
「みそ汁」は腸内環境を整え、抗酸化作用によって免疫低下を防いでくれる!
料理本出版、レシピ・メニュー開発、コラム執筆、イベント・各種メディア出演など幅広く活躍中の、管理栄養士・フードコーディネーター・株式会社Sunny and代表取締役の北嶋 佳奈さんが教えてくれました!
■腸内環境
腸内には多くの免疫細胞が集まっているため、腸内環境を整えることは免疫機能の維持につながります。
「みそ汁」という形で味噌からは乳酸菌やオリゴ糖、メラノイジンなどを、具材からは食物繊維を摂取することで、腸内環境を整えてくれます。
また免疫細胞はタンパク質から作られるため、タンパク源(豆腐や油揚げ、肉など)を加えるとより一層効果的です。
■抗酸化作用
味噌の発酵によって現れる茶褐色色素「メラノイジン」や野菜をはじめとした、「みそ汁」の具材に含まれる抗酸化物質(ビタミンA・C・Eやカロテノイドなど)が、活性酸素の増加による体へのダメージを防ぐことにより、免疫機能の維持をサポートしてくれます。
特に、ヨーグルトやキムチなどの発酵製品にはない「メラノイジン」は味噌の大きな特徴です。
ちなみに熟成度の高い味噌(赤味噌)のほうが「メラノイジン」の含有量が多いことが分かっています。
正しい食生活に適したフード!多くの食材や適度な塩分を摂取できる「みそ汁」
最近は新型コロナウイルス関連でテレビ・ラジオ出演、雑誌取材など多数活躍中の、感染症専門医・グローバルヘルスケアクリニック院長・水野 泰孝医師が教えてくれました!
今年は春先の外出自粛の影響での運動不足や、身体が暑さに慣れていないという点で免疫力低下の懸念が例 年に増してあります。
もともと夏は暑さによる食欲不振で栄養不足、また発汗が脱水状態を起こし血液がドロドロになり悪循環になるなど、体内環境が悪くなりがちです。
さらに様々なウイルスが活発化する秋冬に備え、油断する事なく夏のあいだからバランスのとれた規則正しい食生活をする事が重要で、多くの栄養素を摂取できる「みそ汁」はそのためにも適したフードと言えます。
『夏みそ汁』で熱中症対策!
気象庁が5月25日に発表した3か月予報によると、6月から8月は全国的に暖かい空気に覆われやすく、東・西日本 と沖縄・奄美で平年より高く、北日本でも平年並みか、それより高くなると見られています。
暑くなると心配なのが熱中症。
消防庁が纏めた昨年の全国の熱中症による救急搬送人員を見ると、7月から一気にその数は増加し、8月には3万7千人近くの人が救急搬送されています。
また、熱中症の4割弱は住居で発生しており、就寝時やキッチンでの調理時などにも注意が必要です。
食欲を促す「冷やしみそ汁」がオススメ!
脱水症&熱中症の専門家・済生会横浜市東部病院 患者支援センター長 栄養部部長の谷口 英喜さんが教えてくれました!
マスク着用機会が多い今年の夏は、水分を摂る機会が自ずと減少するほか、口もとが熱源になり身体が熱くなり やすいため脱水症のリスクがとても高くなります。
更に外出自粛による運動不足の影響で、水分を蓄える働きも持つ筋肉が衰えている可能性もあります。
今年は平年より高い平均気温の予測が出ていますので、屋外はもちろん、近年増加傾向にある屋内でも十分注意が必要です。
対策次第で熱中症は限りなくゼロ近づけることができます。
発汗により失われる水、塩分、カリウムを同時に摂取でき、食欲をそそる「冷やしみそ汁」を上手く取り入れ、今年 の夏を乗り切りましょう!
■筋肉を育てるために食事からの水分補給が大事!
成人の身体の約60%は水分で、意外にもその多くを筋肉が蓄えています。
そのため熱中症の対策で重要なのは、身体に多く水分を貯め込むために、一時的な水分補給だけではなく、食事から豊富な栄養を摂り筋肉を育てることなんです。
熱中症対策としてたくさんのメリットがある「みそ汁」
管理栄養士・フードコーディネーター・株式会社Sunny and代表取締役の北嶋 佳奈さんが教えてくれました!
味噌&汁物なので熱中症予防に重要な、塩分と水分を同時に摂取できます。
汗と一緒に流れ出るミネラル(カリウムやマグネシウム、カルシウムなど)や、代謝によって失われるビタミン(ビタミンB群など)の補給ができます。
味噌のほか、豆腐や油揚げ等の具材からもタンパク質の補給ができ、暑さによる体力低下も改善できます。
酸味のあるものや薬味、スパイスなどを用いることで、食欲が落ちやすい夏でもしっかり食べられ夏バテ予防にも効果的です。
この夏に欠かせないマルチ・ヘルシーフード『夏みそ汁』レシピ
企業のレシピ開発、雑誌、TV、WEBメディアで活動中の料理ブロガー・料理研究家・スイーツコンシェルジュのMizukiさんに『夏みそ汁』レシピを教えてもらいました!
共働き世帯が増加し家庭や社会の在り方が大きく変化する今、家事や育児、仕事に追われる限られた時間の中で、毎食の献立を考え、料理を作るのはとても大変なことです。
「できるだけ簡単・手軽に済ませたい!」
「でも家族の身体や健康のことを考えると、栄養たっぷりの料理を作りたい!」
また免疫力低下や熱中症も心配ですね。
そんなお困りのお母さんたちにオススメしたいのが『夏みそ汁』です。
免疫力、熱中症に詳しい先生方、管理栄養士さんが選んでくださったこの夏に必要な食材たちを、今どきな簡単・時短レシピに仕上げました。
これだけ色々な食材をいっぺんに、手軽に調理できるのは「みそ汁」ならではだと思います。
「火も使わずに簡単・時短」「おいしく」「栄養があって」「夏の心配事まで解消」してくれるマルチ・ヘルシーフードである『夏みそ汁』は今年の夏にうってつけの料理です。
皆さんとご家族が今よりもっと楽しい食卓を囲めるよう、ぜひお試しいただけると嬉しいです!
#冷『トマトときのこの冷やしみそ汁』
■こんな時にオススメ!
暑さで体が火照る、熱がこもる時に、水分やカリウムが豊富なトマトが身体をクールダウン!
香りの強い大葉が食欲を促進してくれるので、暑さで食欲のわかない時に◎!
材料(2人分)
■トマト 1個
■しめじ 1/2袋
■えのき 50g
■大葉 3枚
■水 200ml
■顆粒だし 小1/2
■味噌 大1
■氷水 200ml
■白ごま 適量
作り方
■1.トマトは一口大に切る。しめじは石突きを取ってほぐす。えのきは石突きを取って長さを半分に切る。大葉は千切りにする。
■2.耐熱ボウルにしめじ、えのき、水、顆粒だしを入れる。ふんわりラップをかけ、600wのレンジで3分加熱する。
■3.味噌を溶き入れ、トマトと氷水を入れて混ぜる。
■4.器に盛り、大葉とごまをトッピングする。
簡単・手軽な調理に欠かせない、便利な顆粒だしを活用しよう!
顆粒だしは料理を簡単にしてくれるだけでなく、だしを効かせることで風味やコクが増し、料理が美味しく仕上がります。
また、消化と吸収を助けてくれる働きがある汁物には欠かせない存在です。
『夏みそ汁』の熱中症対策、免疫力向上の効果も更に期待できますね。
#冷『叩き長芋ときゅうりの冷やしみそ汁』
■こんな時にオススメ!
暑さで体が火照る、熱がこもる時に、水分やカリウムが豊富なきゅうりが身体をクールダウン!
茗荷が食欲を促進してくれるので、暑さで食欲のわかない時に◎!
海藻(わかめ)はミネラル豊富なため、たくさん汗をかいた時に◎!
材料(2人分)
■長芋 150g
■きゅうり 1/2本
■みょうが 1個
■乾燥わかめ 2g
■水 200ml
■顆粒だし 小1/2
■味噌 大1
■氷水 200ml
作り方
■1.長芋は皮を剝いて適当に切る。ポリ袋に入れ、めん棒で形が残る程度に叩く。きゅうりとみょうがは小口切りにする。
■2.耐熱ボウルにわかめ、水、顆粒だしを入れる。ふんわりラップをかけ、600wのレンジで1分加熱する。
■3.味噌を溶き入れ、氷水を加えて混ぜる。
■4.器に1を入れ、3を注ぐ。
#冷『ブロッコリーとコーンのクリーミー冷やしみそ汁』
■こんな時にオススメ!
暑さで体が火照る、熱がこもる時に、水分やカリウムが豊富なコーンが身体をクールダウン!
牛乳からカルシウムやマグネシウムの補給ができるので、たくさん汗をかいた時に◎!
材料(2人分)
■ブロッコリー 100g
■ホールコーン 60g
■水 200ml
■顆粒だし 小1/2
■味噌 大1
■牛乳 150ml
■氷 適量(6〜7個くらい)
作り方
■1.ブロッコリーは小さめの小房に分ける。茎の部分は薄切りにする。
■2.耐熱ボウルにブロッコリー、水、顆粒だしを入れる。ふんわりラップをかけ、600wのレンジで5分加熱する。
■3.味噌を溶き入れ、コーン、氷、牛乳を加えて混ぜ、器に盛り付ける。
#温『和風参鶏湯みそ汁 オクラ添え』
■こんな時にオススメ!
生姜が体を温めてくれるので、体温が下がっている朝や冷房冷えの時に◎!
材料(2人分)
■手羽先 2本
■長ねぎ 1/4本
■しいたけ 2枚
■オクラ 2本
■生姜 1/2かけ
■水 400ml
■顆粒だし 小1/2
■にんにくチューブ 1cm
■味噌 大1
■ごま油 小1/2
作り方
■1.手羽先は骨に沿って2か所切込みを入れておく。長ねぎは斜め薄切りにする。しいたけは薄切りにする。オクラは板ずりし、斜め3等分に切る。生姜は千切りにする。
■2.耐熱ボウルに1、水、顆粒だし、にんにくチューブを入れる。ふんわりラップをかけ、600Wのレンジで10分加熱する。
■3.味噌を溶き入れ、ごま油を加えて混ぜて器に盛る。
#温『パプリカと油揚げのみそ汁』
■こんな時にオススメ!
鉄の補給ができる油揚げが、夏バテ、貧血対策に◎!
ビタミンCを多く含むパプリカを一緒に摂るとさらに効果的に!
材料(2人分)
■パプリカ 赤黄各1/3個
■油揚げ(油抜き不要のもの) 1/2枚
■玉ねぎ 1/6個
■万能ねぎ 適量
■水 400ml
■顆粒だし 小1/2
■味噌 大1
作り方
■1.パプリカは縦細切りにする。油揚げは5mm幅に切る。玉ねぎは薄切りにする。ねぎは小口切りにする。
■2.耐熱ボウルにねぎ以外の1と、水、顆粒だしを入れる。ふんわりラップをかけ、600Wのレンジで7分加熱する。
■3.味噌を溶き入れ、器に盛ってねぎをトッピングする。
#温『夏風 具沢山豚汁』
■こんな時にオススメ!
野菜たっぷり、お肉(タンパク源)も入っているので、おかずを作る余裕がない時に◎!
材料(2人分)
■豚バラ薄切り肉 80g
■人参 1/4本(30g)
■長ねぎ 1/4本
■ズッキーニ 1/3本
■赤パプリカ 1/4個
■水 400ml
■顆粒だし 小1/2
■味噌 大1
■ごま油 小1/2
■(好みで)七味唐辛子 適量
作り方
■1.豚肉は3cm長さに切る。人参は2mm厚さの銀杏切りにする。長ねぎは斜め薄切りにする。ズッキーニは縦半分に切ってから、横1cm幅に切る。パプリカは1cm角に切る。
■2.耐熱ボウルに1、水、顆粒だしを入れる。ふんわりラップをかけ、600Wのレンジで10分加熱する。
■3.味噌を溶き入れ、ごま油を加えて混ぜる。
■4.器に盛り、七味唐辛子を振る。
1日のタイムラインでの温冷食べ分け例
■朝
熱帯夜での寝汗で脱水症状→冷『夏みそ汁』
暑さによる食欲不振→冷『夏みそ汁』
■昼
屋外活動で脱水症状→冷『夏みそ汁』
冷房や冷たいモノで「夏冷え」→温『夏みそ汁』
■夜
夏バテによる食欲不振→冷『夏みそ汁』
冷房や冷たいモノで「夏冷え」→温『夏みそ汁』
体調や気温によって、温冷『夏みそ汁』を上手く使い分けましょう!
■済生会横浜市東部病院 患者支援センター長 栄養部部長:谷口 英喜さん
「その日の気温や、自身や家族の体調に応じて、温と冷を臨機応変に上手く取り入れてみてください。特に食欲をそそる冷やし『夏みそ汁』はオススメです。対策次第で熱中症は限りなくゼロに近づけることができます。しっかり予防して今年の夏を乗り切りましょう!」
■管理栄養士・フードコーディネーター・株式会社Sunny and代表取締役:北嶋 佳奈さん
「冷たいものが自然と増えがちな季節、内臓の働きをよくし免疫機能を維持するためにも時には温かい『夏みそ汁』も取り入れてください。とはいえ、体がほてっている、熱がこもっている時などは、クールダウンの意味でも冷やし『夏みそ汁』も効果的。冷たい麺に冷たいみそ汁などにならないよう、食べ合わせにも気を付けてください。」
■料理ブロガー・料理研究家・スイーツコンシェルジュ:Mizukiさん
「一汁三菜を用意するのが難しくなった今のライフスタイル。いっぺんにたくさんの食材を摂れる、簡単・手軽な『夏みそ汁』は主婦のお助け料理です。ご家族1人1人の体調によって、冷やしと温の『夏みそ汁』を同時に食卓に並べていただいても良いと思います。」