家のお風呂で“サ活”したい!「自宅で“ととのう”入浴法」サウナのもたらす嬉しい効果は?
サウナへの注目が集まっている現在。昭和30年代後半、平成初期に続いて第3次ブームの真っただ中とされ、サウナを題材にした漫画やドラマが人気を博していますよね!
第3次ブームではクローズドカルチャーであることや、「健康や美容によい」というイメージが広まったことから若年層や女性でサウナを愛好する人が多くみられます。
サウナを楽しむことを「サ活」、サウナ愛好家は「サウナー」「サウナ女子」などと呼び、サウナと水風呂を繰り返した後の気持ち良さを“ととのう”と表現するなど、新しい言葉も生まれました。
そこで今回は、“ととのいたい”けどサウナへ行くのはハードルが高いと思っている方や、サウナへ行けない時も自宅で「サ活」したいという方に、自宅で“ととのう”入浴法をお届け!
あわせて、サウナのもたらす嬉しい効果やオススメのグッズもご紹介していきます。
“ととのう”ってどういうこと?由来は?
“ととのう”という言葉に明確な定義はありませんが、サウナに入って体が温まった後に水風呂と外気浴で体を冷ますサイクルを繰り返すことで、心身のコンディションが良くなった状態を指し、「サウナにおける究極の快感」とされています。
自律神経の副交感神経が優位にも関わらず興奮物質が残存しているという稀有な状態なのです。
漫画家タナカカツキさんが2015年から連載する、サウナの魅力を描いた「マンガサ道〜マンガで読むサウナ道〜」(講談社=モーニングKC=)で登場する主人公の「ととのった〜!」というセリフが流行ったことで、認知度が高まり、“ととのう”が21年の新語・流行語大賞にノミネートされました。
一般的に「サウナ→水風呂→外気浴」を1セットとし、3〜4セット行うことで、ととのう状態が促進されると言われています。
サウナと水風呂の温冷刺激によって脳内で分泌されるのが、「β-エンドルフィン」「オキシトシン」「セロトニン」の3つの物質。
「β-エンドルフィン」には鎮痛効果や気分を高揚させる効果があります。
一方で、「オキシトシン」はストレスを緩和する効果、「セロトニン」は精神を安定させる効果のある物質です。
これらの物質が分泌されることで、通常の入浴では味わえないリラックス体験ができます。
100度近い場所で極限まで熱せられた身体を水風呂で冷やすと、人体は生命の危機を感じ、環境に適応しようと体内で、自律神経、心拍、血圧、血流量、脳内ホルモンなどに変化が表れ、さらにその後外気浴をすると、身体は生命の危機を脱したと判断し、通常よりも深くリラックスする状態になることができ、これにより身体は、“ととのう”という状態になるということ!
サウナのもたらす嬉しい効果
サウナはストレスや不規則な生活から自律神経のバランスを崩しやすい現代の女性にとって強い味方!
交感神経はアクセルの役割を果たすもの。優位になると、血管が収縮して血圧が上昇し、心も体も緊張状態に。日中優位になる興奮になります。
一方、副交感神経はブレーキの役割を果たすもの。その働きが優位になると、血管が拡張して血圧が低くなり、体は穏やかなリラックス状態に。血圧を下げることで、体を休める状態に整えます。
サウナに入ることで日常生活ではなかなか自分の意思で切り替えにくい交感神経と副交感神経のスイッチングが繰り返され、自律神経の働きを鍛えることが出来るのです。
交感神経がアップ(=血管が収縮)
↓
【水風呂】
交感神経がアップ(=血管が収縮)
↓
【休憩】
副交感神経がアップ(=血管が拡張)
また、自律神経を鍛える以外にも下記の効果も期待できます。
■睡眠の質が高まる
■血流がよくなり、免疫力もアップする
■代謝がアップすることで、痩せ体質になれる
■肩こり、腰痛、冷え性を予防、改善できる
■美肌効果が期待できる
こんな方には特にオススメ!“ととのい”で得られる効果3つ
“ととのい”で得られる効果から、特にオススメのポイントを3つご紹介します。
【睡眠の質を高めたい】
DPG(distal-proximal skin temperature gradient)といわれる、身体の深部体温と、手足の先など末梢体温の差が拡大することで、寝入りの段階ですぐに深い睡眠に入ることができます。さらに、深い睡眠の継続時間が約2倍になることがサウナでの実験結果から明らかになっています。
【身体のメンテナンスをしたい】
深部体温が38度以上になると、HSP(ヒート・ショック・プロテイン)というダメージを受けたタンパク質を処理して細胞を修復する働きをする物質が分泌されるため、肌荒れが改善されるだけでなく、免疫細胞の修復に効果的だと考えられています。
【自律神経のメンテナンスをしたい】
自律神経は自分でコントロールがしにくいため、疲れているのに頭が冴えて眠れない、リラックスができない、といった状態になることがあるが、サウナや温浴によって身体に外的刺激を与えると、自律神経がコントロールされ、深いリラックスを得ることができます。
自宅のお風呂で疑似サウナ体験!
サウナブームの中、“ととのう”を体験してみたいけれどサウナは常連が多く、作法などもあり初心者にはハードルが高そう、水風呂が苦手、また、コロナ禍に見舞われている現在は感染症予防の観点からサウナに行くのがはばかられるという方に、サウナ以外で“ととのう”方法をご紹介!
加藤容崇先生による医学的見地からのアドバイスのもと、自宅のお風呂で最大限“ととのう”ための入浴法です。
もちろん「サウナー」の方も、自宅でも試してみてくださいね!
「ウチととのい」入浴法
【お風呂→水シャワー→休憩】のサイクルを下記入浴法で実施すると、より“ととのい”に近づけます。
■2.湯船には15分〜20分間を目安につかる。炭酸系の入浴剤を使い、身体を温めやすくするのも効果的。
■3.水シャワーを20〜30秒程度浴びる。水温は17~18度程度が推奨。
■4.電気を消した脱衣所で目を閉じ、約2分間横になる。
■5.2〜4のサイクルを2〜3セット繰り返す。
※お風呂の温度を上げること、水シャワーの温度を下げることは身体への負担が少し大きくなります。自身の体調に合わせて少しずつ身体を慣らしたのち行ってください。
「ウチととのい」のポイント3つ
■1.水シャワーは、いきなり顔に当てると自律神経反射により失神してしまう可能性があるため、腰など下半身の鈍感な箇所から徐々に当てる場所を上げていくことが重要!また、転倒に備え座って浴びるようにしましょう。
■2.水分補給は欠かさずに!水シャワーの前に「炭酸水」を飲むと、身体が“冷たさを感じやすく”なり、水シャワーの効果を最大化できます。カロリーのある飲み物はこの間、摂取しないようにしましょう。
■3.消化不良を起こさないよう、食事前か、食後2時間空けてから入浴しましょう。就寝時間の90分〜2時間前までに「ウチととのい」を完了すると、良い寝つきにも効果が得られます。
自宅で“ととのう”ためのオススメグッズ3選
1.TWO『薬用BARTH中性重炭酸入浴剤』
■9錠:990円/30錠:2,750円/90錠:6,600円(税込)
一般家庭の浴槽は温度が不均一で、実際には設定温度よりも湯温が低くなる傾向があることを考慮すると、炭酸系の入浴剤によって温熱効果を追加するのがオススメです。湯中の炭酸は血管拡張作用があり体が温まりやすくなります。世界でも希少と言われる中性重炭酸泉を再現した『BARTH』なら代謝アップが期待できる!
すでにサウナーの編集部メンバーたちからもイチオシの『BARTH』の入浴剤。「ウチととのい」の際のマストアイテムとのことなので、まだ使用したことがない方は使ってみてください!
2.サウナイキタイ『サウナシロップ 生姜』
■250ml/2,500円(税込)
入浴前にしっかり水分補給していないと脱水症状を起こすことがあります。また、事前に体内に水分を溜めることで、より多くの汗をかくことができるので、「老廃物」「毛穴の皮脂・汚れ」を排出しやすくなります。サウナ前の水分補給にお湯割りで生姜湯として飲むことで体を温め、よりデトックス効果を促します。
サウナの前の水分補給はマスト。見た目もエモい『サウナシロップ 生姜』は、サ活でも映えますし、「ウチととのい」でも気分が上がるアイテム!夏は、室内に居ると冷房で身体が冷えやすく、冷えることによって血の巡りが悪くなり、むくみやすいのでむくみ対策にもオススメです。
3.サウナグッズ研究所『携帯するLÖYLY(ロウリュウ)』
■ととのえる:4,400円/おもいやる:4,400円/ささえる:4,400円/フルセット:12,375円(税込)
サウナストーンにアロマ水をかけたときに発生する蒸気を浴びるロウリュウは、香りの効果もあり、リラックス効果が高いです。家で手軽に気分を味わうならタオルに染みこませて浴室に持ち込めるオイルがオススメです。
オイルの名前がそれぞれ可愛らしく、サウナーの方へのギフトにも◎!フルセットで揃えれば、その日の気分で選べるのもいいところ。
監修:加藤容崇(かとうやすたか)さんプロフィール
日本サウナ学会代表理事、医師・医学博士 専門は癌ゲノム医療と癌研究。予防医療の重要性から、第二の専門として、サウナをはじめとする世界中の健康習慣を最新の科学で解析し、発信していく「日本サウナ学会」を設立し、代表理事として活動している。
【加藤先生コメント】
家のお風呂でサウナと完全に同じ効果を得るのは難しいですが、「ウチととのい」入浴法を実践することで、サウナの「ととのい」に近づくことは可能です。今回の入浴法は、実際に私が実践している入浴法を基に考案をしました。ぜひ、皆さんも自宅のお風呂で「ウチととのい」を実践してみて下さい。