【完全保存版ダイエット法】元ボディビルダーの現役大学教授に学ぶタンパク質の秘密

【完全保存版ダイエット法】元ボディビルダーの現役大学教授に学ぶタンパク質の秘密

近年、トレーニングに励む方だけではなく、ダイエットやフレイル予防といった点からも、タンパク質に注目が集まっています。

年齢・男女問わず多くの方が意識を向けているタンパク質ですが、タンパク質について正しい知識を持っている方は意外にも少ないと、元ボディビルダーで東京医療保健大学医療保健学部 医療栄養学科 御堂 直樹教授は言います。

そこで今回は、タンパク質の正しい知識と女性にぴったりのダイエット法を教えてもらいました!

タンパク質の基礎知識

タンパク質は、臓器・器官、皮膚、靭帯や腱、骨や軟骨、血管やリンパ管、髪や爪といった「身体の構造を作る」重要な構成成分であり、さらに以下のように、健康な生活を送る上で必須の機能があることが知られています。

■酵素として体内の化学反応を助ける。
■ホルモンとして情報を伝達する。
■免疫抗体として身体を守る。
■物質を運搬・輸送する。

御堂教授は、男性の体づくり・女性のダイエット・シニアのフレイル予防というように、目的が異なればタンパク質の必要な量や摂取のタイミング、また気を付けなければならないポイントが異なるといいます。

今回は、女性のダイエットを目的としたタンパク質の摂り方を解説

エネルギー摂取量は脂質で減らす割合を多くした方が楽!?

ダイエットの基本は、誰もが理解しているように、エネルギー摂取量を減らし、エネルギー消費量を増やすことです。エネルギーは、炭水化物、タンパク質、脂質から摂取できます。

エネルギー摂取量は、炭水化物、脂質のどちらで減らしても効果があるため、体質、好み、普段の食習慣等により、何をどう減らすか決めるのが良いです。

ただ、日本人の場合、炭水化物の多い食品を好む人が多いので、脂質で減らす割合を多くした方が楽と感じる人が多いかもしれないと御堂教授は言います。

体重により、減らすべきエネルギー量は異なりますが、1週間に体重の1%以上減らすと筋肉を失うリスクが高まります。そのため、体重50kgの方であれば、最大で1日500kcal程度を目安にエネルギー摂取量を減らすようにします。

これで、週あたり0.5kg弱の体脂肪を減らすことができますが、現実的にはこの半分程度に抑えた方が、ダイエットを継続しやすいでしょう。

タンパク質の摂取量はやや増やす!筋トレはマスト!?

炭水化物、脂質を減らす一方、タンパク質は減らすのではなくやや増やし、エネルギー摂取量の30%程度にします。そうしなければ、筋肉を失うことになるのです。

筋肉を失うとスタイルを維持できなくなるだけでなく、代謝が低下し痩せにくい体質になってしまいます

しかし、これらの対応をしても、ダイエット時は筋肉の減少を完全に止めることはできません。そこで重要なのが、レジスタンス運動(筋トレ)です

ダイエット時にレジスタンス運動を行うことにより、筋量を維持できることが報告されています。

また、これによりエネルギー消費量を増やすことができるので、エネルギー摂取量の制限を緩めることができます

ダイエット時にオススメのタンパク質は?

ダイエット時に摂りたいタンパク質を含む食材は、エネルギー量の少ないものを選択することが基本です。

牛肉や豚肉はひれやもも、鶏肉はむね肉やささみといった脂の少ないものを選び、調理時には目に見える脂身や皮は取り除きます

ダイエット時はビタミンやミネラルが不足しがちになるので、レバーもオススメです。

一方、魚の油は脂質酸化を高め体脂肪を減少させることが報告されています。従って、それほど食材の種類を気にする必要はありませんが、気になるようであれば脂質の少ない白身魚やまぐろの赤身を選択しましょう。また、いかやえびも脂質が少ないです。

加工食品では、練り製品、ノンオイルのツナ缶、サラダチキン、カテージチーズは、元々脂質が少ないのでこちらもオススメ。しかしいずれも食塩の摂取増に繫がり、練り製品の場合は炭水化物の含量も多いため注意が必要です。

卵、乳製品、大豆製品もよいタンパク質源ですが、脂質も多いため、卵は卵黄の摂取を控えて卵白を主体にする、乳製品は低脂肪にする、大豆製品は摂りすぎないようにするなどの工夫が必要になります。

世間では大豆プロテインの摂取がダイエットに良いといわれることがありますが、対象者により効果が異なり明確な結論は出ていません

実は知らない!?タンパク質のアレコレ

ここからはタンパク質について、正しい知識をご紹介。意外と知らなかったということが多いかも!?

プロテインを摂取しているだけでは筋肉はつかない!?

筋肥大に必要な強度・量のレジスタンス運動(筋力トレーニング)をしなければ、いくらプロテインを摂取しても筋肉はつきません

筋肉の代わりに体脂肪が蓄積することになります。単に体を動かす程度のレジスタンス運動では筋肥大しないため、適切な強度・量のレジスタンス運動を取り入れましょう。

筋肉UPのためのプロテイン摂取に「ゴールデンタイム」はない!?

筋肥大や筋力増強を目的とした場合、高齢者など特定の限られた対象者では、レジスタンス運動直後のタンパク質摂取が良いとする研究結果があります。

しかし、複数の研究結果を解析した信頼性の高い調査では、筋肥大や筋力増強と、摂取タイミングに関係性は認められませんでした。従って、「ゴールデンタイム」の一般化は間違いと考えられます。

タンパク質は極端に多量摂取しない限り、健康への害は報告されていない!?

健常者では、タンパク質がエネルギー摂取量の35%未満であれば、腎機能を低下させることはないと調査によって明らかとなりました。

タンパク質の摂取は、多い場合でもエネルギー摂取量の30%程度と考えられます。

従って、少なくとも健常者では、極端な多量摂取をしない限り、タンパク質の摂りすぎによる腎臓への影響を気にする必要はないと考えられます。

プロテインの選び方

日本国内で通常プロテインとして利用されるのは、ホエイ、カゼインおよび大豆タンパク質ですが、どれが良いか明確に結論付けることは困難です。

筋肥大や筋力増強を目的とした場合、プロテインの種類による違いは認められないという複数の報告があります。

一方、プロテインには体重増量用として、炭水化物を含むものがあります。しかし、プロテインと炭水化物を同時に摂取しても、筋タンパク質の合成量と分解量はプロテイン単独摂取と同等という研究結果が報告されており、それよりも、タンパク質あたりの価格の安いもの、または美味しいと感じられるものを選ぶ方が理にかなっています

どのプロテインメーカーが販売している製品も、原料となるプロテインは少数の特定の原料メーカーが製造するものであり、大差ありません

プロテインメーカー間の違いは、香料や甘味料による風味、または溶けやすくするための造粒の有無ですので、自身の好みで選んでも問題ないでしょう。

植物性タンパク質と動物性タンパク質の違い

一般に植物性タンパク質は動物性タンパク質に比べ、消化吸収率が低く必須アミノ酸のバランスも悪いため、栄養価が低いとされます。

しかし、大豆や大豆プロテインは、DIAAS(消化性必須アミノ酸スコア)といわれるタンパク質の栄養価を表す指標において、動物性タンパク質に近い値を示す栄養価の高いタンパク質です。

そのため、タンパク質の摂取を目的として、植物性食品の中から選択するのであれば、大豆や大豆ミートがオススメです。

御堂 直樹教授プロフィール

所属/職位:東京医療保健大学 医療保健学部 医療栄養学科/教授
学位・資格:東北大博士(農学)/NSCA-CSCS(※アメリカに本部を置く国際的な教育団体であるNSCA(National Strength and Conditioning Association 全米ストレングス&コンディショニング協会)が認定する資格の1つで、スポーツに携わるコーチやトレーナー向けの資格。)
専門分野:食品機能学、食品学、食品加工学

MYRALS 編集部

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