間違いだらけの花粉症対策してない?知っておきたい4つの対策・隠れ花粉症チェックシートも!
今年も花粉の時期がやってきましたね。2022年は「メタ花粉」が到来すると言われています。「メタ花粉」のメタとは、ラテン語の“meta”から来ており、越えるという意味。
つまり「メタ花粉」とは、平年を越えて多く花粉が飛散することを意味します。そのため、正しい花粉症対策がより重要になってきます。
そこで今回は、耳鼻科医の石井正則先生に、正しい花粉症対策を教えてもらいました。
間違いだらけの花粉症対策してない?正しい知識を知っておこう!
良かれと思ってやっていることが、もしかしたら逆効果かも…。花粉症対策に関する知識をチェックして、対策方法を見直してみましょう!
【×】花粉症は薬に頼らず生活習慣の見直しで治せる
花粉との接触をなくせない限り難しいです。症状を緩和できる場合もありますが、薬剤(内服薬や点鼻薬)を使用しないと解決できないこともあります。
【◯】PM2.5や黄砂は花粉の飛散にも影響する
花粉はPM2.5や黄砂に触れると細かく破裂するとされ、その細かくなった花粉がさらに飛散しやすくなります。大気汚染が花粉症にも影響するため、PM2.5や黄砂が予想された場合、花粉にも注意してください。
【×】革製品は花粉がつきにくい
革製品の表面には見えない凹凸があり、花粉を家に持ち込んでしまいます。付着した花粉が取り除きにくいため、扱いには注意が必要です。
【×】家に入る前に服や髪についた花粉を払い落とす
払い落とすと花粉が舞い、目や鼻に入ってしまいます。花粉を取り除く場合は、掃除機や粘着テープがオススメです。原則はアウターは玄関で脱ぎ、部屋に持ち込まないことが大切です。
【×】床掃除は乾拭きより水拭き
水拭きをすると花粉が水でふやけてはじけてしまいます。はじけた花粉は、身体に入りやすくなり花粉症の症状を悪化させてしまうため、先に乾拭きか掃除機をかけてから水拭きをしましょう。
【△】空気清浄機の設置場所はリビングが良い
空気清浄機は、花粉が入り込む可能性の高い玄関がオススメです。その次に大切な場所はリビングの窓際です。
【×】天日干しは午前中に済ませる
花粉の飛散量は1日2回、昼前と日没前にピークに達しますが、朝から晩まで常に飛散しています。洗濯物にカバーをかけない限り花粉の付着は防げないため、花粉が飛ぶ時期の天日干しは避けるべきです。オススメは、電気掃除機による花粉の吸引です。
【×】天日干しするなら雨の後
普段よりも細かい花粉が飛んでいるため雨の後の天日干しは危険です。やはり、基本的には花粉の飛散時期の天日干しは花粉症対策としては間違いです。この期間の天日干しは避け、干し物は室内干しか乾燥器で乾かしましょう。
【◯】帰宅後すぐお風呂に入る
髪など身体についた花粉を落とすためにも、お風呂に入るのが理想です。簡単にできる対策として、手洗い・うがいの他に、顔を洗うのもオススメ。40度程度のぬるめのお湯で少し長めに入浴すれば、自律神経が安定になり、花粉症の症状を抑える効果もあります。
【×】花粉症には熱風呂が効く
42°Cを超えるお湯で入浴すると、お風呂から出たあとの室内の温度差で、一時的にアレルギー症状を悪化させてしまうことがあるため、花粉症対策には40度程度のお湯に10分ほど浸かるのがベストです。
【◯】鼻づまりには熱めのシャワーが効く
42°C程度のシャワーを額に数十秒かけることで、自律神経の働きにより症状を緩和できます。ぜひ試してみてください。
花粉症対策の4つのポイント
【1.花粉症の治療は、症状が出る前から開始する】
花粉症は症状が出る前から治療すれば、花粉の飛散時期になっても症状が出なかったり、軽症に終わることが多いです。スギの花粉の本格飛散は2月末〜3月初め、ヒノキの花粉は4月初めからです。毎年、内服や点鼻や点眼をしている人は、積極的に治療を開始しましょう。
【2.花粉の飛散時期は天日干しを避ける】
天日干しは、一見すると殺菌効果があり、自然乾燥で良いように思われるでしょうが、花粉症対策としては症状の悪化を招きます。花粉の飛散時期は、室内干しに徹しましょう。ガス衣類乾燥機や、浴室暖房乾燥機を使用するのもオススメ。リンナイのガス衣類乾燥機「乾太くん」なら、天日干し後に乾燥させることで衣類に付着した花粉中のアレル物質を除去。帰宅後の衣類のお手入れにも使えます。
【3.水でふやけた花粉は危険】
スギやヒノキの花粉は、水分を含むとふやけて中身が弾け飛びます。この中身の物質こそが体内にアレルギー反応を引き起こすのです。掃除をする際は、水拭きではなく電気掃除機や乾拭きで花粉を取り除いてください。雨上がりの路上でも同じ現象が起こり、雨が降ったからと油断できません。花粉を体内や室内に取り込まないように気をつけましょう。
【4.花粉症は変異株や風邪にかかる可能性を高めてしまう】
花粉症の人は鼻がつまって口呼吸をする機会が多く、喉の粘膜を痛めてオミクロン株などの変異株や風邪にかかりやすくなっています。また、花粉症の人がウイルスに感染してしまうと、花粉症によるくしゃみによってウイルスを飛ばす危険性が高くなります。そのため、変異株や風邪を避けるためにも花粉症対策が重要です。
花粉症の症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりと身体のだるさですが、オミクロン株の症状も、鼻水、鼻づまりが77%、くしゃみは66%、体のだるさが半数で、高熱以外は花粉症とそっくりです。
花粉症にオススメするマスクの素材と形状は、コロナ対策と同じ。不織布でできた立体型が良いでしょう。マスクを購入するときは、なるべく鼻全体を覆うことができるものを選んでください。
隠れ花粉症かも!?簡易チェックシート
花粉症の症状は風邪などと似ていることもあり、花粉症であることに気づけていないかもしれません。簡易チェックシートで花粉症の可能性がないかチェックしてみましょう。
□ちょっとした刺激で肌が赤くなりやすい
□肌が乾燥しやすい、湿疹などが出やすい
□風邪でもないのに微熱が出ることがある
□掃除や衣服の着替えで目のかゆみ、くしゃみ、鼻水が出る
□たまに口で呼吸していることがある
□目や喉がかゆくなりやすい
□連続したくしゃみがでる
□1週間以上くしゃみや鼻水が出ることがある
□透明でさらっとした鼻水が出る
4個以上のチェックで隠れ花粉症の可能性あり!
4個以上の人は、現在すでに花粉症を持っているか、もしくは将来、花粉症になる可能性があります。当てはまる項目が多いほど、隠れ花粉症の可能性が高いと考えられ、アレルギー鼻炎の可能性も高くなるため、耳鼻咽喉科での診察が大切になります。
1つでも当てはまる方は対策を始めましょう!
監修:石井正則先生プロフィール
耳鼻科医。JCHO東京新宿メディカルセンター耳鼻咽喉科診療部長。JAXA宇宙医学審査会委員。ヨギー・インスティチュート認定のヨガインストラクターとしても活動しており、最新の著書に「めまい・耳鳴り・難聴を自分で治す本」(二見書房)など。
※リンナイ調べ